ハブダイナモ水車の作り方(販売もしてます)
ハブダイナモ水力発電というのが流行ってるそうです。「自分で作るハブダイナモ水力発電」という手引書もあるらしく、それを元に好きな人たちがこぞって挑戦されてるみたいで「やってみたけど作れません」と多くの方が相談に来られました。
この宿題は長い間放置してましたが、今回(2017年8月)近所の奥様が「材料費を払うから急いで作れ」と、ビール持参でお願いに来られた事もあり、まずは手引書を頼りに自分で作る事から始めてみました。で、確かにコレはモノづくりの経験がないと作れないなと思い、このページを作るに至りました。
尚、この文章は手引書を読んで失敗または挑戦中の素人向けに書いています。読んでない方はまず手引書を読んで下さい。また加工屋さん及びその道の方はマシニングやレーザーに乗っけてしまえばヨロシク一発一瞬で終わります。大量生産や機械加工とは無縁の工作愛好家のために書いた文章ですので、その点ご理解下さい。


[ハブダイナモ水車の構成]
下の写真をご覧下さい。こういう水車を作ります。



ハブダイナモ、側板、羽、水車固定部、制御ボックスという構成です。固定部は場所に合わせて作るものゆえ触れません。
挫折の人の大半が「側板と羽の製作でつまずいた」と言うので、そこを中心に書きます。


1:図面を描きます
手引書に図面が載ってますが、そのまま作ると現在のハブダイナモ(DH-2N40J)には合いません。実測の上、こちらのラインナップを参考に図面を描いて下さい。もしくはラインナップ図を6倍で出力すると実寸の図面になります。実寸の図面は穴を開ける際に役立ちます。


2:側板を作ります
アルミ板を買ってください。本当は丸い板を買いたいけど普通は売ってないか売ってても高いので四角い板を買って下さい。
例えばΦ300の水車が作りたい場合、切り代を見越し310X310mmぐらいで買って下さい。不器用な私みたいな人間の場合ギリギリの寸法で買うと必ず芯ズレの影響で泣ける形になります。厚みは1mmがいいです。1mmじゃないとハサミで切れません。
次に板金の中心にポンチを打ち、ケガキ用コンパスで求める円を描きます。
このケガキ線に沿って金切りバサミで切り出します。この作業が苦しいです。間違いなく筋肉痛になります。
最後に穴開けですが図面を実寸で出力し、センターを合わせ、ポンチを打っていきます。ポンチをガイドに穴を開ければ終わりです。Sダイナモの場合、基準が10°ズレます。その点ご注意下さい。(詳細は手引書を参照下さい)
中心の穴はΦ60〜63mmです。ホールソーもしくはパンチャーが必要で共に高級品です。ケチって木工用ホールソーでやったら一発で刃がやられました。「作る」というのは「カネがかかる」という事を知って下さい。


3:羽を作ります
手引書には塩ビ管を四分割と簡単に書いてますが、一番目立つ切断面が表に出、ヘタクソがやるとグニャグニャゴワゴワし、見ていて気分が悪いです。更に塩ビ管は色がダサいです。よってPET(ペットボトルの素材)の平板を曲げる事にしました。
欲しいサイズで板を買い、これに穴を開け、適度に熱し、冷やしたパイプに押し付けて曲げます。家庭用オーブンに3枚入りますのでテンポよく作業できます。





熱して急冷しますので幾らか変形します。穴ピッチが合わないモノも出てきますので、取り付けブラケットは長穴のモノ(Y-810がオススメ)を選んで下さい。


4:ハブダイナモに追加工します
手引書にも書いてますが取り付けのためM3タップを切ってやる必要があります。2個飛びで6箇所切ります。



ネジ軸は見た目M8細目ですが、なんと自転車専用タップBC5/16だそうです。ナットが欲しくてもホームセンターには売ってません。ダイナモの付属ナットをなくさないようにして下さい。


5:その他
手引書ではWダイナモの際、何とも微妙なやり方でダイナモを繋げて回しますが普通は両端の軸をガッチリ固定しますので特に繋げる必要はありません。ただし組む時の芯ズレが見た目にイヤな事と、軸を固定前にブヨブヨするのが気に食わないので樹脂パイプを入れてます。
また、これは手引書の見落としなのですが、Wダイナモを電気的にショートさせると不具合が出ます。最初、何も考えず羽をアルミで作ったら確かにポヤッとしか発電しませんでした。



この問題は詳しい人が言うに「電子回路でどうにでもなる」との事ですが、そこは追って詳しい人に聞くとして、とりあえず手引書通り羽を樹脂製に作り替えました。

最後に電気の事を書きます。
ハブダイナモの発電量は二つ合わせて4.8Wです。微々たるものなので蓄電しなきゃ役に立ちません。蓄電回路を作る必要がありますが、私は電子制御工学科出身なのに電子の事がからっきし。人に頼って勉強しながら作りました。



手引書通りにダイナモの出力を全波整流し、二つの出力を直列で繋ぎました。これに電圧電流計を付け、発電の具合が見えるようにしました。お客様曰く「見えなきゃつまらん」との事で私もそう思います。
これを繋いで水車をクルクル回すといい感じでDC15V以上に達しました。水量が安定しない場合はDCDCコンバータを挟んで電圧を安定させて下さい。


6:販売に関して
お客様の声です。
「作るの諦めた」
「パーツだけ売ってくれ」
「水車だけ売ってくれ」
「制御ボックスだけ売ってくれ」
「丸ごと売ってくれ」
「設置まで全部やってくれ」
そういう話を数年前から頂いてましたので、上の実験を踏まえ価格設定しました。材料代と工賃を赤裸々に公開しますので、価格を見て自分で作るかそれとも買うか、どうぞお客様自身で判断下さい。

最初にラインナップの図面をご覧下さい。
図面を見ながら読み進んで頂ける事を前提に書きます。

基本的には上に書いた水車を販売致します。微妙に違うのは作り方で、数を作るに際し「この作り方はムリだ」と唸った点は製作方法を変えています。
まず側板を丸く切るためニブラ式の円形切断機を作りました。



これによって側板の厚みが1.5mmになり、ちょっと頑丈になります。(ハサミ切りは1mm厚が限界だった)
また図面出力(紙)による穴開けは繰り返しの作業が困難と判断し穴開けジグ(板金)を作りました。これによって穴位置は安定しますが擦り傷が付きます。
手作りなので傷はあるものと思って下さい。更に私は加工がヘタです。美観は気にせず作業します。



購入に関するアドバイスですが上からジャンジャン水を落とせる方は小さい水車を買って下さい。水車径Φ500まで作れる環境を整えますが、ハッキリ言って大きい水車で充電電圧に達すのは至難の業です。じゃあ何のためΦ500を作れるようにするのか、それ即ちデカい水車はかっこいいからです。見た目重視の方は大きい水車を買って増圧して蓄電下さい。
最後に輸送ですが送料は別途頂きます。宅急便は値上げ続きで高い上、大物は梱包も大変です。できるだけ取りに来て頂けますと助かります。


[パーツ販売・側板]
2枚組の販売のみ承ります。Wダイナモ用かSダイナモ用かお知らせ下さい。値段は一緒ですが穴位置が微妙に違います。



側板2枚 Φ250 税別10500円(材料費1500円・工賃9000円)
側板2枚 Φ300 税別11000円(材料費2000円・工賃9000円)
側板2枚 Φ350 税別11500円(材料費2500円・工賃9000円)
側板2枚 Φ400 税別13000円(材料費3000円・工賃10000円)
側板2枚 Φ450 税別14500円(材料費3500円・工賃11000円)
側板2枚 Φ500 税別16000円(材料費4000円・工賃12000円)


[パーツ販売・PET羽]
補修用に1枚から販売します。一つの水車に9枚必要です。



PET羽Wダイナモ用1枚 税別1300円(材料費300円・工賃1000円)
PET羽Sダイナモ用1枚 Φ250専用 税別1100円(材料費200円・工賃900円)
PET羽Sダイナモ用1枚 Φ250以外 税別1100円(材料費200円・工賃900円)


[水車単品販売・Wダイナモタイプ]



Φ300 税別39700円(加工部品代22700円・購入部品代9000円・組立工賃8000円)
Φ350 税別40200円(加工部品代23200円・購入部品代9000円・組立工賃8000円)
Φ400 税別42700円(加工部品代24700円・購入部品代9000円・組立工賃9000円)
Φ450 税別45200円(加工部品代26200円・購入部品代9000円・組立工賃10000円)
Φ500 税別47700円(加工部品代27700円・購入部品代9000円・組立工賃11000円)


[水車単品販売・Sダイナモタイプ]



Φ250 税別33400円(加工部品代20400円・購入部品代6000円・組立工賃7000円)
Φ300 税別33900円(加工部品代20900円・購入部品代6000円・組立工賃7000円)
Φ350 税別34400円(加工部品代21400円・購入部品代6000円・組立工賃7000円)
Φ400 税別36900円(加工部品代22900円・購入部品代6000円・組立工賃8000円)


[発電モニター付き制御ボックス]



ハブダイナモのAC出力2点をそれぞれ全波整流でDCに変え、それを直列(凡そDC16V)もしくは並列(凡そDC8V)で繋ぎ、端子台に引き出してます。回路は防雨ボックスに入れてますので、ハブダイナモに半田付けしたらすぐに使えます。発電モニター(電圧+電流)付きです。この制御ボックス単品の価格は税別18000円です。自分で作るのを諦めた方はコレを買ってください。

ちなみに回転数によって出力は大きく変動します。出力を安定させたい場合、DC/DCコンバータをバッテリーもしくは負荷との間に挟みます。
バッテリーはスマホ用のモバイルバッテリー(5V入力)が手軽でお手頃です。むろん、その他バッテリーにも対応可能です。

上記制御ボックスをお客様の仕様に合わせてカスタムご希望の場合、工賃と部品代が加算されます。お問い合わせ下さい。


[調査、設置、アドバイス]
出張を伴う場合は出張費と工賃を頂きます。詳細はこちらをご覧下さい。
尚、電話相談は受け付けておりません。メールの相談は受け付けますが簡単な回答になります。よろしくお願い致します。


こんなモノが売れるとは思ってませんので当面は受注生産です。入金確認後に部品手配、加工、組立をやります。納期は20日ぐらいを想定下さい。
ご依頼ご質問はこちらからメールでお願い致します。
確認次第、折り返し連絡させて頂きます。



参考動画1「水車側板の作り方」

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