結果にコミットしそうな回転台 | |
まずは8月28日のツイート(ツイッターへの投稿の事)を見て欲しい。 初めてのお客さんに「面白い看板を一緒に考えてくれ」と相談され、本気で考えノリノリになったところで、おあずけを喰らってしまった。 こういうパターンはいけない。毎度おなじみドツボにはまるパターン。 「興奮しちゃいかん!」 いかんいかんと思いつつ、その夜、図面を描き、翌朝には部品を発注してしまった。 部品が全部揃うまで凡そ一週間。一週間という時間は僕を冷静にした。 「なぜ、こんなモノを作ろうと思ったのだろう?」 が、遅い。既に発注済で後には退けない。 「そうだ、スポンサーを集めよう!」 お金を出してくれそうな知り合いに、 「重量物用回転台、欲しくないっすか?僕、欲しいっす!材料代を出しませんか?二人の共有財産にしましょう!」 片っ端から持ちかけた。が、断られた。そう、片っ端から断られた。 「さて、どうしよう?」 材料表を見ながら、後に払う金額を計算した。 「むむむ!」 いつもはコスト優先の華奢設計のくせに今回はやたらガッチリ設計していた。 あの日の僕はどうかしていたらしい。やたら剛性にこだわり、ガッチリむきむきであった。 「大人2人が乗れんといかん!耐荷重200キロ!」 思い描いた絵があった。 かつらの人と潔いハゲに乗ってもらい、その男気を回転で披露。むろん、あの音楽が付帯し、堂々ハゲを煌びやかに持ち上げる。 女性でもいい。色んな面で対照的な二人に乗ってもらい、夢と希望を回したい。 一人で回ってもいい。モーターを変速仕様にし、思いっきり遅くすれば半周のうちに着替えもできる。ヒーローにだって変身可能。先ほどの事例なら思いっきりズラを投げ、服も脱ぎ捨て裸になればいい。 「大変身を一回転で示したい!」 そういう回転台が欲しい。 あの日の僕のメモ紙が手元にある。 「大人二人が乗れる」 「変速モーター」 「音楽付帯」 「正面認識」 「背面認識」 「スポットライト」 色んな事を加味したらアッという間に部品が増えた。で、迷わぬうちに発注した。 数日後、案の定、迷いの嵐が訪れた。 「俺のバカー!」 部品が来た。 涙を堪え組立に着手した。着手して分かった。重過ぎて持てなかった。地べたで作っても運べないだろう。ハンドリフトの上で組んだ。組みながら思った。従業員もいないのにどうやって現場へ運ぶのか。車に積めたとしても行った先で降ろせない。 とりあえずカタチになった。 ブロックを置き、ハンドリフトのツメが入る状態で地上に降ろした。 「スイッチオン!」 テーブルが回った。ビックリ。回転が速過ぎた。 一晩でエイヤと作ったモノは色んな事が想定外だった。あの日の僕はどんだけ寝ぼけて計算したのだろう。この回転は立っていられるはずがない。 ちょうどガチャガチャやってる時に三女が来た。立つのは危険なので座ってもらった。(動画参照)三女は開口一番「気持ち悪い」と言った。最速で回した。三女は人である事を捨てモンキーになった。キーキー鳴いた。 農作業後の嫁にも乗ってもらった。(動画参照)速効で気分が悪くなるらしい。寝込んでしまった。 とりあえず、このスピードは使い物にならんという事でギア比を1/50から1/180に落とした。落とした上で前と後ろを感知するセンサを現品合わせで取り付けた。乗ってる人が後ろ向きの時に悲しい音楽が流れ出し、前向きの時に明るい音楽が流れるようにした。 看板屋と話したのは、これに精巧なマネキンを2体乗せ、それぞれに善と悪の色々を施し、使用前使用後の変化を如実に感じてもらうというもので、飲食店なら食べる前と食べた後で幸せそうな具合を変えたり、メーカーなら「この商品を使うとこれだけ変わる!」というのを大袈裟に示せばいいと盛り上がった。 「かぶるだけ塗るだけで結果にコミット!そんな感じはどうだろう?」 「ウケる!最高!いいっ!早速作ろう!作りたい!」 そういう感じで大盛り上がり。盛り上がって膨らんで「これが街角にあれば通行人は勝手に乗る!勝手に写真も撮るでしょう!ステッカーを貼れば広告代が入るかも!」 話は脱線。大きく歪み、更に邪悪に盛り上がった。 僕には、あの興奮を抑える事ができなかった。稟議が下りるまで「たった二ヶ月待て」と言われ、それを突っぱね動いてしまった。 「待てん!ムリ!自分用に作る!」 僕はバカだ。ほんとバカだ。 そういう流れでスタートし、カタチになってしまった。(動画参照) これに外装を整え、装飾を施せば完成となる。 が、保管場所の問題と想定外の材料費、そして輸送手段、更にこれが本筋、活用法すら決まってない。 「これをどこでどう使うのか?」 色んな順序があべこべだけど作ったものはしょうがない。使うしかない。 無表情の嫁も怖い。最近変わった仕事が多かったから、それの一つと勘違いしてたみたいだけれど、音を入れた時点で、 「ん?」 二度見していた。嫌な気配を察したらしい。 とりあえず、この回転台は9月19・20日の山口ミニメーカーフェアに持って行く。メーカーフェアは変態の祭典だから、変態が変態のために活用法を見出してくれるかもしれない。 以下お願い。 このページを最後まで見て下さった方で、 「アレに使えそう!コレに使えそう!」 「動画制作に活用したい!」 「材料費を出して共有者になりたい!」(保管もお願いしたい) 「広告代を出すからステッカー貼らせろ!」 ちょっとでもそう思った方がいらっしゃいましたらメール下さい。 回転台は今日もハンドリフトに乗っている。地べたに下ろしたが最後、人を呼ばんと動かせない。 |
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