| 第163話 公と私(2025年11月) 公私混同を社是としている。だって公はおもしろくない。 駅の管理人になって2年。イベントは延べ4回やった。イベントに関しては色んな公金があるから使えと人は言うけど使うと動きが悪くなるし勝手気ままができなくなる。が、前回4回目の時、客の言葉になるほどって唸った。 「駅でやる以上は地域のイベントだけん公だ、集落の皆に分かるよう紙を回して告知せんといかんだろ」 告知はインターネットでしかやってなかった。確かに見ない人には届かず、地域やお年寄りからコソコソやってると思われるのは嫌だ。 そういう訳で今回はビラを回覧板で回してもらうよう区長にお願いした。すると地域から苦情が出た。 「カラクリ研究所の私的イベントをなぜ回覧板で回さにゃならんのか?」 板挟みの区長も困り僕も困った。駅のイベントは公なのか私なのか?悪い事に今回のビラは顧問の作で今回だけ「by 阿蘇カラクリ研究所」と書いてあった。確かに見る人から見れば駅のイベントではなくカラクリ研究所のイベントだ。この会社は社是が公私混同だから誰がどう見ても私、ていうか福山裕教=阿蘇カラクリ研究所だ。 とりあえず区長に迷惑かけるのは嫌だから次から回さないと決めたけど公のイベントだとすれば情報が回らないのはよくない。 「どうしたらいいですかね?」 「うーん」 全世帯にビラを入れて回ろうかと思ったけど200軒ぐらいある。このイベントは保健所への申請代2800円すら賄えない大赤字。これ以上手間がかかるなら止めてしまいたいのが本音。が、年3回を楽しみにしてくれてる人もいて、年3回だから、それぐらいは期待に応えたい。 とりあえず一番苦手な公を理解すべく公のプロ・役場職員にどういう流れが一番ベターか聞いた。 まず駅の活性化委員会を作り個人ではなく団体にするそう。実際に動くのは個人かもしれないけど行政や地域としては個人を支援するのはタブー。私から脱皮し、よく分からぬポヤッとした存在になり行政に支援される事で公は輝きを増す。 「とにかくアンタは私が強過ぎる!」 ビラのダメ出しも受けた。 「阿蘇カラクリ研究所って書いちゃってるのもダメだけど、それよりダメは糖尿病云々のくだり!これはまずい!」 「えーおもしろくない?」 「おもしろい!おもしろいけど公はおもしろくしちゃダメ!主催者の病気をイベントにするなんて公では絶対許されない!」 「でもねぇ」 「分かる!そうやって20年続いた会社だもんね!分かるけど公ってそういうもんなの!」 イベントなんてやんなきゃよかったと思ったけどやったから日頃考えない事を考えた。そして公のプロも口角泡を飛ばしながら公の基礎を分からず屋に叩き込もうとしてくれてる。 「とりあえずイベントをやめるという選択肢はナシ!今後も細々やってくれ!」 社是が公私混同はイベントに向かない、その事を勉強した。 |
| 生きる醍醐味(一覧)に戻る |
顧問が作ったビラ(第5回公式) 僕が作ったビラ(第5回補欠) |